マンガでやさしくわかる アドラー心理学
岩井俊憲
★★★★☆
タイトルから全編マンガかと思ったら全体の半分くらいで、あとは文章解説だった。
マンガと解説はビジネス現場例なので、働く人にとっては自分の環境に当てはめてイメージしやすい。
キャラ設定やストーリー進行に無理やり感があるけれど、このくらいの誇張は分かりやすくするために仕方ない。
アドラー心理学の全体像を大まかに把握できる。やはりブームの先駆け「嫌われる勇気」を読んでみよう(まだ読んでない…)。
アドラーの考え方は、反発するところがなく受け入れられる。
これまでも新聞・雑誌のコラムなどでアドラーの勇気づけ手法を読み、私もやってみようと試みてきた。
その結果、現状は…
「困難を克服する活力を与える」はなかなか難しい。どうしても「ほめる」に終始しがち。相手を勇気づけするためには、相手を関心を持ち、理解し、共感していなければ的外れになる。周囲の人間1人ひとりにこれをやるのは、骨が折れる。
…という感じの今。
本書によると、今の私の状況は「新しいパターンを身に付ける3つのサイクル」の「2.新しいパターンを自覚的に試みるが、不器用にしかできない段階」なのだ。これが「3.新しいパターンを継続しているうちに、器用にできていると自覚できる段階」にならなければ、「ニュー・スタイル」の自分にはなれない。
まだ違和感ありだけど、周囲を勇気づけ、自分の影響の輪を広げるためには地道にやっていくしかない。
なお、私の理解がある及ばないせいかもしれないけれど、ちょこちょこ解説が疑問・不足しているような個所がある。
まず、上記の3つのサイクルに関する説明が今ひとつで、図と解説が合っていない。もっとうまくまとめられないものか。
他に、理性と感情の解説も今ひとつ。理性と感情は同じ目的に向かっているという。確かに、マンガ例は支配したい、主導権を握りたいという目的に向かっていた。しかし、理性と感情の対立例として挙げられた
「後で苦労すると分かっているけれど、ぎりぎりまで夏休みの宿題をほったらかしにする」
「太ると分かっていても、飲んだあとのラーメンがやめられない」
は理性と感情が同じ目的に向かっているのだろうか?考えてみたけれど分からない。
理性と感情が相補的・協力的だというところはモヤモヤしたままだ。だからこそ他のアドラー本を読もうと思う。
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