★★★★☆
「三国志」に縁がなく、きっかけのないまま過ごしてきたが、ようやく手にした。外伝も含めると相当のバリエーションがあるが、とりあえず王道と言われる吉川英治版。
思いのほかすんなり読めてストーリーに没入できた。
以下、今後の展開などに先入観のないままの感想。
まず、登場人物が若い。当時名を成したのは20代そこそこの若者たち。劉備の母と私は同じくらいの年齢ということになる。
劉備の母は息子が血筋からも天下を統べる人間だと信じ、厳しく導く。髪に白いものが増えたという記述や生活ぶりから、つい自分よりも年齢を重ねた人物なのかと思ってしまうが、同年代。
三国志の時代は極端だとはいえ、様々な物語の主人公たちは自分より若い世代に移ってゆくのだと、分かってはいるけれど愕然とする。私は人間として彼らのように徳を積めているだろうか。わが身を振り返って考えてしまう。
1巻は、劉備・関羽・張飛の3人が桃園で義兄弟の契りを交わし、義軍を結成して参戦する様が中心。劉備の素直さや、関羽のお兄さんぶり、張飛のだらしなさ・豪傑さが個性として際立っている。
曹操の暴虐ぶりがひっかかる。自分をかくまってくれた父親の義兄弟である呂伯奢の家族を勘違いから殺害し、わざわざ隣村まで酒を調達に行った呂伯奢まで口封じのために殺害する。しかも、せっかく殺害したなら美酒も奪ってくれば良かったと後悔する始末。こういう人物だったのだろうか。
呂布もそそのかされて育ての親を殺害するし、何とも殺伐とした時代だ。
菫卓を倒せるのか、次巻が楽しみ。
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