みおん評価★☆☆☆☆
獣医師である伯郎の弟が行方不明になり、突如現れた弟の婚約者(楓)と弟を捜索する。
その本筋に、いくつかのサブストーリが絡む。過去に事故で片付けられた母の死、早逝した父が患っていたサヴァン症候群、父の描いた「寛恕の網」という絵。
本筋はあるものの、それぞれのエピソードが独立していて、何がメインなのかいまいち分かりにくい。
ラストでは、登場人物たちの選択のとって付けた感が強すぎて腹落ちしない。
全体の印象としては、東野圭吾どうしちゃったの?という…。
主人公の伯郎の思考や行動が非モテの典型すぎて、東野圭吾はわざとやっているのだろうかと邪推してしまう。
伯郎の楓に対するエロ目線を批判するレビューもあるが、きれいな女の人がいたらそういう風に見るのは自然の摂理だから仕方ないことだ。
批判レビューが起こるのは、伯郎の思考や行動が痛すぎるからだろう。
いちいち楓の行動に干渉したり、
帰宅確認の電話をしたり、
夜中に部屋に突撃したり、
同僚女性にも分かるくらいにエロ視線を送ったり。
非モテ男が突如として近くに現れた女性に舞い上がり、束縛する姿が気持ち悪い。
ラストは伯郎と楓の関係がどうにか進展しそうな含みを持たせて終わるのだが、現実にはあり得ない。楓は婚約者(伯郎の弟)の捜索という「仕事」があるため、伯郎からフェイドアウトせずに近くにいるだけだ。現実だったら、獣医師という堅い職業を利用しようとする女性以外、キモい非モテから全力で逃げることだろう。
こういう行動を取っても、女性に好感を持たれるという下手な希望を持たせない方が良い。
真面目でいればキモい行動をしても、夢のような女性と結婚できるというのは幻想だ。
伯郎はせっかく国家資格持ちなので、白馬の王子様に挫折して安定的収入を獲得したい女性をターゲットにしたらよさそうだ。
振り返ってみると、東野圭吾の小説に出てくる男性はどこか非モテ臭がする。湯川や加賀のように個性になるような話だと気にならないのだが。
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