◆受験数学が苦手
私は受験数学が苦手だった。
中学までは難しいと思ったことがなく、周囲がなぜできないのか理解できなかった。今思うと嫌な人間だったと思う。
しかし高校で数Ⅱになってから分からなくなった。
行列や微分積分の意味が分からない。何のためにやっているのか理解できない。行列はシステマチックな処理に落とし込めると好きだったけれど、その式を立てるところまでに四苦八苦した。
◆詰め込み暗記の限界
理解できないながらも点数は稼ごうと必死で、解法の丸暗記を続けた。そのような本質を理解していない勉強でもセンター試験で180点は取れるようになるものだ。しかし、国立2次試験の数学は歯が立たない。点数は伸びないのにかけた時間は膨大で、非常に効率の悪い勉強をしていたと思う。
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◆苦手は人それぞれ
一方、夫は「数学は公式を3つ程度覚えていれば解ける」という人間だ。私が公式や解法を必死で暗記していたのに、こういう人間もいるのかとうらやましくなる。
しかし、夫は国語、特に現代文が苦手だ。それこそ私の守備範囲で、現代文など問題作成者の意図通りに解答すればいいのに、夫のように自分の主観を入れてしまうのはNGなのだ。お互いに受験生時代に本音が言えたら良かったのに。
◆苦手意識の原因
私が育ったのはインターネットがない時代で、塾もなく、大きな書店もない田舎。学校の教科書以外のものの見方を知る機会がなく教えてくれる人もなかったことも、数学苦手意識を払拭できなかった要因だ。もし、あの頃の自分が別の視点から数学を語る人や書物に出会えていたら、違っていたかもしれないと思う。
◆苦手意識の払拭
受験数学を脱し、田舎を出て多くの人や書物と出会い、自分で確率などを勉強するようになってからおもしろいと思え、フィボナッチ数列と巻き貝の関係など身近に数学が感じられると関心を持てた。苦手を克服したとは言い難いが、高校時代よりは数字に対して身構えることはなくなった。
この先、息子が勉強に苦手意識を持った時、分からないままに詰め込むのではなく苦手の根本に戻る勇気を持ってほしい。苦手分野に対して、私や夫が別の視点を提供できたらと思うし、家庭だけでなく周囲から色々な視点を得る環境を作ってやりたいと思う。
ただ、親ができることはほんのわずかの助けにすぎない。本当に大切なのは、息子自ら苦手なことや課題へ対処する能力を身に付けることだ。
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